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やきものの装飾技法の中でも数多く見られる“面取り技法”をご紹介します。
まずはろくろ成形したものに、鉛筆などであたりをつけていきます。そしてあたりに基づき、仕上りの厚みを意識しながらナイフで大胆に削っていきます。
土はどんどん乾燥していくので、テンポよくリズミカルに作業します。
2周目は、より仕上りを意識した作業になります。直線的に削っていくと器が痩せて見えてしまうので、角を出しながらも少し丸みが出るように作業を進めていきます。右上の画像の左側が1周目、右側が2周目の作業が終了した状態です。随分、印象が変わってきました。
3周目は鉋を使って、口縁部を整えていきます。この工程が口あたりの良し悪しを左右するので丁寧に行います。
手で持って作業する中で器に歪みが生じるため、型にはめて形状を整えます。
乾燥の具合を見ながら、面取り作業で荒れた表面をペーパーで磨いて完成です。
一見、何気ない面取り技法ですが、いくつもの工程を重ねて仕上げています。作り手の感覚と技術によって、形状や使い勝手が随分違ってくるシンプルながらも奥が深い技法です。
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